中国、デジタルヒューマン規制案を公表 未成年保護と表示義務を明確化
中国が、AIで生成される「デジタルヒューマン」の扱いをめぐって新たな規制に乗り出しました。Reutersによると、中国のインターネット規制当局は2026年4月3日、仮想人物コンテンツに関する規制案を公表し、表示義務や未成年向けサービスの制限などを打ち出しています。これは、AI活用を経済成長の柱として進めつつ、その社会的影響をより厳格に管理しようとする動きの一環と見られます。
何が発表されたか
今回の規制案では、デジタルヒューマンを用いたコンテンツすべてに対して、それが仮想人物であることを分かりやすく表示するよう求めています。利用者が本物の人間と誤認しないようにする狙いがあるとみられます。加えて、18歳未満に対し、仮想人物が「バーチャルな親密関係」を提供することを禁じる方針も盛り込まれました。依存を招くような設計や、子どもを誤導するサービスを抑える意図が読み取れます。重要なポイント
もう一つの重要点は、本人同意のない個人情報利用の制限です。規制案では、他人の個人情報を使ってデジタルヒューマンを作ることを禁じています。また、仮想人物を使って本人確認システムを回避する行為も禁止対象に含まれています。近年は生成AIによる音声・映像の再現精度が上がっており、こうしたルールはディープフェイクやなりすまし対策の意味合いも持つと考えられます。 さらに、中国らしい特徴として、国家安全保障や国家統一に関わる内容への規制も明記されています。転覆や分裂をあおる内容の配信は禁止され、性的示唆、残虐表現、差別扇動などについても抑制が求められています。これは単なる消費者保護ルールではなく、コンテンツ統治の一部としてデジタルヒューマンを位置づけていることを示しています。これはなぜ注目されるのか
注目点は、中国がAIを強く推進しながら、同時に統制の線引きも急いでいることです。Reutersは、中国が直近の政策方針でAIの積極導入を打ち出した一方、急成長する業界に対する安全性や価値観の整合性も重視していると伝えています。つまり今回の規制案は、AI産業を止めるというより、「どの範囲まで許容するか」を明文化する動きといえます。まとめ
今回の規制案は、デジタルヒューマンを中国のAI政策の周辺的な話題ではなく、制度整備が必要な重要分野として扱い始めたことを示しています。今後、パブリックコメントを経て内容がどう確定するかが注目されますが、少なくとも中国では、AIアバターや仮想人物の発展は「自由な実験」ではなく、「明確な管理ルールの下で進める対象」になりつつあるようです。2026年4月6日 8:59 PM カテゴリー: AI